島津製作所 創業記念資料館

京都

「島津製作所」もちろん名前は聞いたことがあったし、大きな会社?くらいの認識しかなかったのですが、この度、京都モダン建築祭に参加したことによって、この島津製作所創業記念資料館も参加建築に入っていたご縁で訪問しました。

鴨川沿いに建つリッツホテルのすぐ目と鼻の先に建つ創業記念館は、高瀬川のほとりに位置し、日本家屋と入り口に続くお庭の木々が綺麗で目をひきます。木造2階建てのこの建物は、かつて初代島津源蔵が居住し、約45年間にわたって本店として使用した、いわば島津製作所の源流となった建物です。

建物を外からよくみてみると、1階の上部にステンドグラスがはめ込まれ、斜めに差し込む秋の日差しがステンドグラスをより一層輝かせています。江戸時代の伝統的な日本家屋とは違った、明治時代に建てられた近代化の要素を取り入れた建物からも、首都が東京に移った後の寂れた京都を盛り返そう、また、日本の近代化の一助となろうとする姿勢がよく現れています。

現在の島津製作所の社長曰く、「科学技術で社会に貢献する」を社是として事業を展開し、まもなく創業から150年を迎えるそうです。

首都を東京に遷都し、勢いが衰えた京都の空に気球を上げたのが始まりで、その後、島津製作所は現代の医療でも使用しているレントゲンや、教材用の実験器具、模型など科学に関するあらゆるものを開発し続けています。

左上の木製の大きな扉の家具はヤマハが製作したもので、中にはレントゲンが入っています。扉を閉めるとレントゲンが入っているとは思えないほどの重厚な作りをしていおり、場所によっては中のものが処分され、家具として現在も使い続けられているところがあるそうです。

資料館の中には、初代島津源蔵が居住した部屋の一部が残されています。10畳の広い座敷の2方を廊下が囲み、廊下の向こう側には手入れされた庭が見えます。座敷の立派さもさることながら、戦禍を逃れ、よくぞここまで綺麗に手入れを施してきたと感心させられるほど、凛とした立派な座敷と庭。世のため、人のためと探究心を忘れず化学に身を投じてきた島津源蔵親子の志の高さが行き映った様な気さえします。

建物には建てた人の志、魂が宿る。そんなことを体感できた島津製作所創業記念資料館訪問でした。普段でも資料館には入ることができます。是非、京都街歩きの際に寄り道してはどうでしょうか。

↓下の写真をクリックすると、島津製作所創業記念資料館のHPにとびます。

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