京都市役所本庁舎

京都

 京都市営地下鉄「京都市役所前」駅から直通の通路を上ると、京都市役所がそびえ立っています。関西の建築界の父とも称される武田五一が中心となり設計され、1927(昭和2)年に完成しました。

エントランス

 建物に目を向けてみると、京都市役所本庁舎真ん中の大きな塔、左右対称に横長に建てられた大きな建物が見て取れます。正面には、広い広場のような空間があることで、この建物をより大きく立派に見せています。建物本体には、いろいろな様式が混ざっており、左右に突き出した部分からバロック様式、小さな窓が配置されているロマネスク様式、細部にはイスラムの幾何学模様に似たものも見てとれます。

玄関ホールを入ると、真ん中に大きな階段があり、そこを上がり踊り場から左右に階段が伸びているバロック様式の階段が採用されています。廊下のアーチの形は少しイスラム風にも見えます。

玄関ホールから階段を見上げると、階段の踊り場に輝くステンドガラスが目を惹きます。9枚のステンドグラスで京都の名所を表しており、それぞれの色彩の美しさに惹かれ思わず見惚れてしまいます。

市会議場

曲線が目立つ作り、緑と金の華やかな壁 京都市庁舎の中でもメインとなる空間、市会議場です。

周りにぐるりと代々の市長の写真が飾られ、上を見上げると美しいステンドグラスが目に入ります。ああ、この市会議場の明るさはこの天井に配置されたステンドグラスからの光だったのかと気付かされました。

正庁の間

正庁の間は、戦前に作られた市庁舎だからこそ存在する貴重な部屋です。来賓を迎えこの部屋でいろいろな式典を行っていた場所で、重厚な壁がこの部屋の雰囲気をぐんと高めています。

真ん中にある日本の柱が少し邪魔な気もしますが、構造上の問題でしょうか、その柱にも壁と同じ模様の重厚な壁紙で装飾されています。

 この扉の奥には、数億円かけて改装したと言われる和室があるようですが、そこは今回は非公開でした。この部屋が本当に必要かどうか、京都市では論争が巻き起こっていましたが、この和室を作るための技術が伝承されていくためには必要だということで、改装が実行されたようです。

屋上

屋上には小さな庭園が整備され、そこからは、京都市の風景が一望できます。京都市の真ん中に位置する京都市役所本庁舎。いつもここにあるのが当たり前な市役所本庁舎。中に入ってみると、歴史を感じる異空間が広がっていました。

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