らくたび京町家(旧村西家住宅)

京都

歴史と共に歩んできた京都において、京町家を使って四季折々の年中行事や幅広いイベントを提供し続けている「らくたび京町家」。その本拠地は旧村西家の住宅として、1932年昭和7年に産声を上げました。築80年以上にもなる京町家は、国指定・登録有形文化財/市指定・景観重要建造物に指定されています。

この町屋が建てられる前は、職場と住宅が一体化したものが多かったが、この旧村西家住宅は住居専用の大きな邸宅となっております。屋敷の周りを大きな塀が囲んでいる大塀造り(だいべいづくり)は、商人や医者など比較的に金銭的に余裕がある層の人が好んで建てた様式で、住宅専用に建てた塀付きの町家で、道に面して塀を立て、前栽をはさみ奥に建物が建ち、建物が道路に面していないことがこの造りの特徴です。

部屋を進んでいくと、奥庭に面した立派な座敷に行き着きます。ひと昔は多くの家に存在していた座敷。今では座敷を要する家は少なくなっている様ですが、座敷の落ち着き感はいまだに健在です。庭をほけーっと眺めながらこの空間を過ごす時間は格別です。

京都の街中は住宅が密集しており、お隣さんとの間も狭く自然光を部屋に取り入れるのが難しい構造です。それを解決してくれるのが坪庭。坪庭はお部屋から木々の美しさを愛でるだけではなく、自然光を取り入れる役割も担っています。

坪庭に面した狭い廊下を進むとなんと大きな蔵が!やはり呉服商の大番頭として財をなしたのでしょう。

今日の町屋あるあるの細くて急な階段を上がると、2階から近隣の風景だけではなく、上から奥庭を眺めることができます。周りの様子を伺うと、やはりごみごみと住居が密集している京都の街並みを見ることができます。

なぜか懐かしい、なぜか親しみを感じる旧村西家住宅。先人の京都人の生きている気配を感じながら、この住宅へ寄り道してみませんか?

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